Tuesday 10 August 2010

Unfathomable


ABCチャンネルの(日本でいうNHKかな。)
『AUSTRALIAN STORY』というドキュメンタリーは
私の豪州でのお気に入りの番組。

今回はとても考えさせられる興味深い内容だったので
ちょっと載せますね。

英文概要はこちら↓

It's seven years since a young American bride,
Tina Watson, died during a honeymoon scuba dive
on the Great Barrier Reef.

Her husband Gabe was accused of murder
but eventually convicted and jailed for manslaughter,
amidst controversy over the role of the Queensland DPP.

Back in Alabama, the authorities are convinced
there's been a failure of justice and they still want
Mr Watson back in the dock in his home state.

It remains a baffling case,
involving the justice system of two countries,
and a series of events that are hard to explain
in any terms...

By ABC Australian Story HP




1993年、米国アラバマ出身の新婚夫婦を襲った悲劇。
ハネムーンでオーストラリアを訪れた2人。
グレートバリアリーフをダイビング中に妻のティナが
何らかの原因でパニック状態に陥り溺死してしまう。

最初の段階ではティナはダイビング初心者でもあり
事故死の可能性が高かったが、

ある別のダイバーが水中カメラで撮った写真に
衝撃的な証拠が浮かび上がる。

夫のゲイブはダイビング上級者。
当時の証言では彼はパニック状態の彼女を
必死に抱え船まで連れて帰ったと言っていた。



ならばこの写真は・・・


更に他のダイバーがゲイブが彼女の酸素バルブをひねり
空気を抜いていた所を目撃したことや
ハネムーン旅行前に彼が彼女に多額の生命保険を
掛けさせていたことなどが明らかになり


彼はオーストラリアQLD州にて殺害容疑で逮捕された。


ティナの家族も参列した裁判での判決はなんと
『証拠不十分により殺害の容疑は認められない』という結果。
彼はダイバー上級者でありながら対処不適切という処分で
3年間QLD州の刑務所へ送られることとなった。

怒りを抑えきれない家族は彼が出所した後に
米アラバマ州にて再度告訴する試みでいる。

ティナの両親や友人達は彼女の夫に前々から不信感を抱いていた。
どうして結婚をとめられなかったのだろう
・・・と悔やんでも悔やみきれない想いでいる。

-30歳を目前にしての彼女の諦めていた結婚に光がさした

-彼女の幸せそうな顔をみていると何も言えなかった

-まさかこんなことになるなんて・・・

実は

オーストラリアQLD州では
殺人の容疑が有罪だったとしても『死刑』はない。服役20年。
米アラバマ州では『死刑』になる。

更にオーストラリアで一旦殺人の罪で有罪判決が下った場合
他の国では同じ処分ができないという規則がある。

つまり、万が一、彼が有罪でもオーストラリアで20年服役の後
死刑判決が米国で下ることはない。家族が望んでも。


夫のゲイブはこれを知っていたのではないだろうか…

彼は今年の11月にオーストラリアの刑務所から出所する。


● ● ●


本当に許せない。

結婚を夢見る女性をたぶらかし、
言いくるめ計画的に命を奪う。

彼女の家族は今も
懸命にこの悲劇と向き合い戦っている。

世の中は
『嬉しい』の影に、たくさんの『悲しい』が溢れている。


ティナはこのグレートバリアリーフの空で何を想うだろう。





-Monica

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